穀物の種を蒔く「芒種」、何かを始めてみよう!

暑さが日一日と増していく中、雨の日も増えてきて湿度も高い日も多くなってきました。

先日の台風と線状降水帯発生では多大な被害もあり、気分的には暗くなってしまいがちですが、この時期の適度な雨は、木や植物にとってはとても大事なもので、私たちに豊かさをもたらしてくれる根源となります。

この時期、二十四節気では、米や麦など穂の出る穀物の種をまくという意味をあらわす「芒種」と呼ばれます。芒種の芒は、稲穂や麦穂などイネ科の植物の穂先にある細い毛のような部分を指しています。

米は寒冷に弱い性質をもっていたため、水田に直接種をまかず、苗代で育ててから田植えをする方法を受け継いできました。田植えをするまでに育った苗は早苗や玉苗などと呼びます。苗に貴いとか、すぐれて美しいという意味をあらわす玉という言葉を当てるほど古の人々は愛しんでいました。

今年の芒種は6月6日。

この日は、習い事を始めるのに良い日とされています。舞踊など伝統芸能の「稽古始め」は6歳の6月6日がよいとされ、歌舞伎、能、狂言でも「初稽古」と呼び、この日に稽古を始めるべしとされています。

今年の芒種はそのような日と重なり、何かを始めるのにとても縁起が良いとされています。

その縁起を担いで、自分の玉苗の種を蒔き、玉苗と呼べるよう愛しく思い育み、植物が成長していく姿をイメージしながら、新たな何かをスタートするのがよいですね。