2021年の天地風水

2021年は、十干が辛(かのと)、十二支が丑(うし)で、干支は「辛丑(かのとうし)」となります。五行では、十干の辛は「陰の金」、十二支の丑は「陽の土」で、相生(土生金)です。

そして2021年は、六白金星で、自然氣學では「天」の年となります。

東洋思想では、時間は未来から過去へと流れています。人は、川を遡上する魚のように未来へ向かって遡るように生きています。

この年の特徴を一言でいうと、辛さを伴いながら物事が新たな世代へ向かう年となります。

「辛」は季節でいえば晩秋、植物なら実は腐って地面に落ち、新たな芽吹きが始まる意味を持ち、もともとは刺青をする針を表した象形文字からできた漢字です。針で刺すことから身体的な苦痛を表す言葉に当てられ、ツライ、カライ、ヒドイなどの意味があるので「辛」は思い悩みながらもゆっくりと衰退していくことや、痛みを伴う幕引きを意味することになります。

「丑」の文字は紐が本意で、赤ちゃんが生まれて初めて肘を伸ばし、指先に力を入れる様子を表していることから、始める、掴む、結ぶという意味を表します。

ただ、「辛」は「陰の金」ですから、「辛」の「丑」は、宝石を研磨して光らせるように、辛抱強く磨くことで新しい輝きに向けての価値を見出す、転換期を表します。

天の年の中心のテーマは、「乾為天(けんいてん)」
乾は日の出の光氣とその光の波動が伸び進む形=天を意味しますので、2つの天が重なり、強い天のパワーに満ちていることを意味します。創造性、活動性が本質で、天上界の光は万物を生み出し、森羅万象に拡がり浸透していくという意味なので、正義を貫き天啓に従えば時流にのって大事を成就していけるという氣になります。

古きことに悩みながらも終わりを告げ、新しき芽生えを見いだすために辛い時を耐え、人との縁を大切に結んでいく年となります。昨年までに、これまでとは異なる新たな視点・思考で繁栄の始まりのために更新をし、物質、精神両面での豊かさを学んだ人は、今年の辛い時をしっかりと乗り越えて新しいステージへと新化向上していくことができるでしょう。

この運氣を最大限に生かすためには、天に従い、人格を磨く。つまり自が立、自らを律する自立(律)心をもち自ら積極的に行動することが大切です。試練や苦難にも、果敢に立ち向かって、日々精進する。神仏のみならず人と自分を敬う。いつもより一段と厳しい目で自分を試されている年、くまなくチェックがはいって来る年と心得る。そして、うまくいっても天狗になったりせず、謙虚さをもって周囲と接し、縁を大切にすることが、さらなるステージアップには大切なポイントです。

まさにお天道様はみているという意識で、自分を律することができれば運氣の流れに乗れます。

昨年は「澤」の年だったのですが、この澤の年に新たな視点・思考で更新し、豊かさを学ぶことができずに、口を開けばネガティブな愚痴や不満ばかりを言っていたり、今までの古いパターンに固執したり執着していた人は、天から不要な枝を伐採するがごとく、いきなりバッサリと切られたり、人間関係で孤立するなどといった辛い状況に追い込まれがちになるので改善していきましょう。

今年、最も注意すべきは過剰と完璧主義です。何事も度が過ぎるこると、焦りや苛立ち、性急な行動に繋がります。また、自信過剰となり、言いすぎたり、やりすぎることによって周囲から嫌われますので気をつけましょう。

特に環境や周囲の人、天に対して敬がない人は、自分の能力を過信して強情や慢心に陥り、地位や待遇に不満を持ったり調和を欠いてしまいますし、周囲に対して鈍感になります。そう言った傾向の人は氣がかなり悪くなっているので、しっかりと自己責任能力を磨き、何か関心のある物事に挑戦して完成させることや、伝統や文化を学ぶ一年にすることで自己改革をしましょう。

2021年は、まだまだすっきりとしない辛い時期ではありますが、古い時代の物で不必要なものは淘汰されたり、新しいテクノロジーや考え方など今まで思ってもなかったような新しいことが芽生えてくる兆しもあります。

目標に向けてしっかり基礎を作り、足固めをして発展して行くための方法を色々と模索しながら掴んで行くような氣の流れの中で、長いものに何となく巻かれるのではなく、自分で選び結んでいく意志を持つことが大切です。

現実的にも、新型コロナやオリンピック開催などに関連して、さまざまな情報や考えが飛び交っていますが、自分で選び、結んでいくレッスンを天から与えられ、私たち一人一人が次の時代へ何を紐づけるのかが問われていると言えるでしょう。