「啓蟄」自分の中に蟄っているのは終わり。初雷に刺激を受けて啓いていきましょう。

朝晩はまだ寒いですが、日中は春を感じる暖かい日も増えてきました。五感を通して脳に刺激を与え、ブラッシュアップはできていますか?

3月5日。冬の間、土の中に潜んで冬を越していた生き物や虫たちが春を感じて目覚め、地上に姿を現し始める「啓蟄」が巡ってきました。「啓」は戸を開くことを意味し、「蟄」は虫が土の中にこもることを示し、読んで字のごとく、仲春の動きを感じさせてくれるものですね。

また啓蟄は細かく見ると、蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)で始まり、桃始笑(ももはじめてさく)を経て、菜虫化蝶(なむしちょうとなる)という流れになっていて、春のいのちの活動が解りやすい時期にもなります。興味深いのが、花が咲くことを「笑」と表現しているところですね。花のほころびを笑みに例えるところが趣深いですよね。

また、今年は雷の年ですが、立春後初めて鳴る雷のことを初雷(はつらい)と呼び、雷鳴を聞いた虫が土中から這い出すと考えたところから、別名で「虫出しの雷」と言われます。まさに今年はこの初雷で私たちの当たり前やしがみついているものに対してウェイクアップコールを鳴らされ、揺さぶりをかけられそうです。

雨水で、春への準備運動として、自分の知らず知らずに凝り固まっている思考などを少し緩めるこことができた人は、いよいよ温めていたことや今年やりたいと思っていることを表に出す時期になりますね。そしてまだまだ寒いからと脳に刺激を与えることなく土にこもって不要になった思考や習慣に囚われていた人は、この時期には初雷がおちてきて、大きな刺激を与えられ、あなたの土台を震わせることが起きるかもしれません。
いずれも大切なのは、桃が咲くころに笑顔をほころばせることができるために起きたことと捉え、自分の今年の花を咲かせる意識が大切になりますね。

少し頭をあげて、あたりを見回してみる。頑なにいつまでも下を向いて土にこもっていては、春の風も光も感じることができず、周囲の移り変わりにも気づくことができません。
そんな自分に春の訪れを教えてくれ、早く動き出そうよと誘い出してくれる初雷をどうとらえるか?思い切って楽しんでウェイクアップコールとともに飛び出していくことが今年の波に乗るコツです。

下を向いていて乗り遅れていては勿体ない。スピードとノリの良さが大切になる雷の今年です。
自分の中にまだいる虫を春の苦みのある山菜や菜の花を食して追い出すとともに、手足を思い切り拡げ、おひさまに向かって軽やかに春を感じられる状態に整え、ここまでの冬終いをする。
そんな過ごし方をすることで、雷に打たれたようなインスピレーションやアイディアが湧いてきて、春のエナジーチャージがされていきます。この時期を楽しみましょう。